アブストラクト(41巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈弁置換術後4年目にバルサルバ洞拡大に伴う著しい人工弁の動揺を来した大動脈炎症候群の1再手術例
Subtitle : 症例
Authors : 中野秀昭*, 島倉唯行*, 勝間田敬弘*, 島村吉衛*, 矢吹晶彦**, 松田憲尚**
Authors(kana) :
Organization : *福山循環器病院外科, **福山循環器病院手術室
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 3
Page : 523-527
Year/Month : 1993 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は4年前に大動脈弁置換術を施行された大動脈炎症候群の49歳, 女性. 術後大動脈炎症候群はCRP(±)~(2+)でコントロールされていたが, 本年になってCRPが(4+)へ急激に上昇し, 拡張期逆流性雑音を聴取するようになった. 大動脈造影で著しい人工弁の動揺とperivalvular leakageを認めた. prednisoloneを増量しCRPが(±)となった段階で再手術となった. 大動脈を切開すると, バルサルバ洞が拡大して一部憩室状に左室内に突出し, 同部位の内膜が断裂して人工弁は左室内に落ち込んでおり, いわゆる左室-大動脈不連続の状態を呈していた. 人工弁の開閉制限や上行大動脈の拡大も認められなかったことより, バルサルバ洞及び内膜断裂を閉鎖するように人工弁を冠動脈開口部直下まで吊り上げ固定するにとどめた. わずかなleakageは残存したものの術後経過は良好である. 大動脈炎症候群の抗炎症療法及びvalve detachmentの再手術に一考を与える症例であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈炎症候群, 大動脈弁置換術, 左室流出路-大動脈基部不連続, 大動脈瘤, 大動脈弁閉鎖不全
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