アブストラクト（41巻4号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 開心術における血中α-hANP濃度の変動とその測定意義 |
|---|---|
| Subtitle ： | 原著 |
| Authors ： | 中原秀樹 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 獨協医科大学越谷病院心臓血管外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 41 |
| Number ： | 4 |
| Page ： | 537-546 |
| Year/Month ： | 1993 / 4 |
| Article ： | 原著 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 開心術症例15例（弁膜症例：9例, ACバイパス症例：6例）の術前後急性期の動脈血中α-hANP濃度及び冠静脈血中α-hANP濃度を測定した. 心係数が低下し左房圧の上昇した弁膜症群では術前は全例高値を示したが, 弁機能修復後は早期に101.1±9.7pg/mlと低下した. 術前正常値（10～60pg/ml））であったACバイパス群ではanoxic arrest後の軽度の心不全と考えられる術後急性期には70.7±34.4pg/mlと増加傾向がみられた. 術前後の肺動脈楔入圧の変動と動脈血中α-hANP濃度の変動の間には良い相関が認められたこと, 及び冠静脈血中の濃度は動脈血中濃度の約2倍であることからα-hANPは左心房圧の上昇により主として左心房筋より冠静脈に分泌される割合が多いことが示唆された. 弁膜症術後遠隔期21例の検討ではα-hANPが100pg/ml以上にとどまった症例は臨床症状の改善度, CTRの減少率も低く予後不良と推定することができた. 以上より, 特に弁膜症の手術前後のα-hANPの測定は手術効果の判定, 予後推定に有用であると考えられた. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | α-hANP, 開心術, 弁膜症, 心不全, 予後判定 |
