アブストラクト(41巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心房中隔欠損を伴わない冠静脈洞型左全肺静脈還流異常症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 石黒真吾, 上平聡, 原陽一, 黒田弘明, 佐々木成一郎, 森透
Authors(kana) :
Organization : 鳥取大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 4
Page : 638-642
Year/Month : 1993 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心房中隔欠損(ASD)を伴わず, 左全肺静脈が冠静脈洞へ還流する極めて珍しい部分肺静脈還流異常症を経験し, 冠静脈洞型総肺静脈還流異常症の術式であるVan Praagh法を用い手術を行った. 症例は13歳, 女児. Qp/Qs2.2のASD(二次孔)の診断のもとに手術を行ったところ, ASDはなく, 卵円孔が開存し著明に拡大した冠静脈洞が認められ, 左全肺静脈が冠静脈洞に還流していた. 修復は卵円窩床を切除し, 左房と冠静脈洞の隔壁を切開, その隔壁を冠静脈洞の下壁に縫合し, 左肺静脈血を左房へ還流させ, 同時に冠静脈血は右房へ導くように形成した. 術後の心臓カテーテル検査で短絡を認めず, 肺動脈造影, 冠動脈造影にてそれぞれの血流は正常に還流されていた. 今回用いた術式は冠静脈血の短絡を残さず有用な術式と思われる. 部分肺静脈還流異常症(以下PAPVC)の80~90%が心房中隔欠損(以下ASD)を合併しており, 還流肺静脈は圧倒的に右側が多い.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 部分肺静脈還流異常症, 冠静脈洞還流型, 左全肺静脈, Van Praagh法
このページの一番上へ