アブストラクト(41巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : DICを伴った開心術後の縦隔洞炎の1小児例-半閉鎖式持続洗浄, 大網及び大胸筋充填術の有用性-
Subtitle : 症例
Authors : 近江三喜男, 佐藤香, 横山斉, 三浦誠, 羽根田潔, 毛利平
Authors(kana) :
Organization : 東北大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 4
Page : 678-681
Year/Month : 1993 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は8歳, 男児. 生後6ヵ月時のI型総動脈幹症の手術に用いられた外導管内の生体弁狭窄に対し, 平成3年7月, 外導管再建術を施行した. 術後20日に黄色ブドウ状球菌による縦隔洞炎を発症し, DICに陥った. 排膿, debridementを行い, 胸骨, 皮膚を開放にし, Gore-Texシートを皮膚に縫着し創を半開放とし, 1%ポピドンヨード液で持続洗浄を行った. DICがコントロールされた洗浄開始後10日目に大網充填術と胸骨閉鎖を施行した. 大網は上縦隔に到達するものの, 極めて薄く, 上前縦隔全体を充填するには量的に不足であった. そこで, 左第2肋軟骨, 肋骨の一部を切除し, 胸壁を開窓し, 大胸筋弁を上前縦隔に誘導し, 外導管部を取り囲むように充填し, 胸骨, 皮膚は一期的に閉鎖した. 術後肝炎を合併したが, それ以外, 術後経過は良好で術後1年間再発はない. DICを伴った小児開心術後の縦隔洞炎に対して行ったわれわれの方法の紹介と文献的考察を行う.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 縦隔洞炎, DIC, 半閉鎖式持続洗浄, 大網充填術, 大胸筋充填術
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