アブストラクト(41巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁疾患を有しない左房内遊離球状血栓症の手術例
Subtitle : 症例
Authors : 押領司篤茂, 川良武美, 原洋, 青柳成明, 小須賀健一, 大石喜六
Authors(kana) :
Organization : 久留米大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 4
Page : 699-703
Year/Month : 1993 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 今回, われわれは, 緊急手術により左房内遊離球状血栓症の1例を救命したので報告する. 症例は82歳, 女性. 心エコー検査にて左房内に不規則な運動を示す遊離した球状の異常エコーを認めた. 心不全治療中に右大腿動脈塞栓症を併発したため, 緊急に左房内血栓摘出手術を施行した. 僧帽弁には狭窄を認めなかった. 血栓形成の原因は, 心房細動に徐脈を併発したためと考えられた. 左房内遊離球状血栓症は緊急手術の適応であり, 診断がつき次第, 可急的に摘出手術を行うべきである. また, 人工心肺導入までの嵌頓対策として, 経食道心断層エコー法の術中応用は有効であった. 僧帽弁疾患を有しない左房内血栓症の手術報告は本邦で3例を認めるが, 完全に遊離した球状血栓症は極めてまれであり報告した. 左房内遊離球状血栓症は僧帽弁弁膜症において, 緊急手術の適応となる重篤な合併症として報告されている. しかし, 僧帽弁疾患を有しない症例は極めてまれである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左房内遊離球状血栓, 正常僧帽弁, ball thrombus, 術中経食道心エコー検査, 緊急手術
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