Title : |
房室弁逆流を伴うFontan型手術の適応限界-単心室症に対するFontan型手術に及ぼす房室弁逆流の影響- |
Subtitle : |
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Authors : |
平松健司, 今井康晴, 澤渡和男, 竹内敬昌, 寺田正次, 青木満, 磯松幸尚, 朴仁三* |
Authors(kana) : |
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Organization : |
東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科, *東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
41 |
Number : |
7 |
Page : |
1184-1187 |
Year/Month : |
1993 / 7 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
1990年までに房室弁逆流を伴う単心室症14例(右室型単心室症:SRV8, 左室型単心室症:SLV6)にFontan型手術を施行した. 房室弁逆流がFontan型手術に及ぼす影響を評価するため, この14例と同時期に房室弁逆流を伴わない単心室症でFontan型手術を施行した41例を対象として両群の手術成績, 心室機能, 肺循環因子を比較検討した. 房室弁逆流に対して教室では全周性弁輪縫縮術を施行しており, 術後逆流は全例でほぼ消失した. 死亡率は房室弁逆流を伴う群で7%, 伴わない群で12%と両群とも良好な成績であり, 術後心係数(CI)は両群に有意差なく(平均2.6L/min/m2 vs 2.6L/min/m2), また術後の肺血管抵抗(PVR)にも有意差なく(平均2.3Wood・units・m2 vs 2.2Wood・units・m2), そして術前のEFについても有意差を認めなかった(平均54%vs62%). 従って, Fontan型手術後の血行動態は術前の房室弁逆流の有無に関わらず同程度であり, 房室弁逆流の存在する症例においても, 手術時期及び手術指標を誤らなければ房室弁逆流の存在そのものはFontan型手術の禁忌項目とはならないと考えられた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
Fontan型手術, 房室弁逆流, 単心室症, 全周性弁輪縫縮術, Fontan型手術の適応拡大 |