Abstract : |
右室二腔症における右室流出路狭窄(RVOTO)の解除を経右房・経肺動脈的に行うとの報告が少なくないが, われわれの施設では, 狭窄解除をより確実にする目的で積極的に右室切開を行っており, 最近では右室流出路のパッチ拡大を加えるようにしている. 今回, 本症根治術症例を, RVOTO解除法により3群に分類し比較検討を行った. 即ち, A群(N=7):線維性肥厚内膜の切除のみ・B群(N=13):異常筋束切除・C群(N=4):異常筋束切除+右室流出路パッチ拡大併用の計24例である. このうち, 術後1年以上経過した22例に心臓カテーテル検査を施行した. 右室-肺動脈間の圧較差が10mmHg以上の症例は, A群2/7例・B群4/11例・C群0/4例であった. 安静時の圧較差が十分に軽減された症例の一部に対するイソプロテレノール負荷試験では, A群3/3例・B群3/4例で右室流入部圧が50mmHg以上に上昇したのに対し, C群では4例とも右室流入部圧は30mmHg以下で圧較差の増大もなかった. 以上の結果より, 右室流出路パッチ拡大術は, 本症のRVOTO解除法として最も確実な方法であると考えられた. |