Abstract : |
グルタールアルデヒド処理豚心膜, を用いて2尖弁及び3尖弁のValved Pericardial Roll(以下VPR2, VPR3)を作成し, 実験的に弁機能を検討した. 実験方法は小児右心系のモデルとして改良したSimulator(機械式循環モデル)を用いた. (1)弁なし心膜ロール(Non Valved Pericardial Roll: 以下NPR)とVPRを比較すると, 設定した条件下でVPRにおいて心拍出量は高値を示し, 急性期におけるVPRの有効性を実験的に証明しえた. (2)弁機能が既に臨床的にも評価されている生体弁(Ionescu-Shiley弁:ISP)と比較すると, VPRは高圧になるほど, また心拍数が増加するほど心拍出量が低下する傾向にあったが, ISPと比較しても十分満足しうる弁機能を有することがわかった. (3)弁の形態を検討したところ2尖弁においては, 径のほぼ95%の長さの弁尖を, 3尖弁においては85%の長さの弁尖を有するものが弁機能的に優れていた. VPRは既存の人工弁と比較しても十分な弁機能を有し, 臨床上も有効なものと推測された. |