アブストラクト(41巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 摘出術中に再伸展性肺水腫を併発した限局性胸膜中皮腫の1例
Subtitle :
Authors : 相良勇三, 大塚俊哉, 林孝二, 白石裕治, 小松彦太郎, 片山透
Authors(kana) :
Organization : 国立療養所東京病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 8
Page : 1378-1382
Year/Month : 1993 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開胸手術中に再伸展性肺水腫が発症した1例を経験した. 症例は70歳, 女性. 徐々に進行する呼吸困難で発症, 左胸腔内に巨大な異常陰影を認め手術を行った. 胸腔内の約3分の2を占める腫瘍が存在し, 重量は2,550gであった. 病理診断は線維性の限局性胸膜中皮腫であった. 腫瘍摘出直後より気道内に大量の分泌物を認めるようになった. 気道内分泌-血漿タンパク濃度比は1.03であり, 術前に20mmHgに上昇していた肺動脈楔入圧は腫瘍摘出後6mmHgに低下した. 以上より, 巨大な腫瘍を摘出したために発生した肺血管透過性亢進にもとずく再伸展性肺水腫と診断した. 術後直ただちにステロイド等の投与と積極的な呼吸管理を行い回復した. 腫瘍摘出に伴う再伸展性肺水腫の診断には気道内分泌物-血漿タンパク濃度の測定及び肺血管内圧の測定は極めて有用である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 再伸展性肺水腫, 限局性胸膜中皮腫, 腫瘍摘出術
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