アブストラクト(41巻9号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 三次元CT血管造影法による胸部大動脈瘤の術前診断
Subtitle :
Authors : 安達秀雄, 井野隆史, 井手博文, 水原章浩, 山口敦司, 川人宏次, 小林泰之*, 永井純*
Authors(kana) :
Organization : 自治医科大学大宮医療センター心臓血管外科, *自治医科大学大宮医療センター放射線科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 9
Page : 1478-1486
Year/Month : 1993 / 9
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 新しく臨床応用が可能になった三次元CT血管造影法(3D-CT)により8例の胸部大動脈瘤の術前診断を行い, 術中の所見と対比してその有用性について検討した. 検査では経静脈的に造影剤を投与しながらヘリカルスキャン(スパイラルスキャン)を行い, CT装置に内蔵されたプログラムによりデータを処理して病変部の二次元スライス像及び三次元再構成像を表示した. 検査に要する時間は短く, 病変部の立体的構造がリアルに表示され, 術中所見ともよく一致した. 複数のCT値を「しきい値」として設定し, CT値の差異を用いて不要部分を消去することにより, 血栓や血管壁の描出も可能であった. 三次元像は任意の方向からの投影が可能で, 病変部の断面の評価も容易であり, 術前検討に適した方法といえる. 但し, 診断にあたっては常に二次元像と併用する必要がある. 今回のシリーズでは8例全例が術前の方針に従って手術を実施し, いずれも良好な結果が得られた. 限られた症例での検討ではあるが, 3D-CTは従来の血管造影法とCT検査法の両者の利点をもった新しい画期的な診断方法と考えられ, 胸部大動脈瘤の術前診断に有用であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 三次元CT血管造影法, 胸部大動脈瘤, 大動脈解離, ヘリカルCT, スパイラルCT
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