アブストラクト(41巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 遠心ポンプによる左心バイパスを用いた下行大動脈人工血管置換術後に収縮性心膜炎を来した1例
Subtitle : 症例
Authors : 石坂透, 安藤太三, 安達盛次, 中谷充, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 10
Page : 2116-2120
Year/Month : 1993 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 下行大動脈人工血管置換術後に収縮性心膜炎を来した1例を経験した. 下行大動脈手術において, 左房脱血の遠心ポンプによる左心バイパス法には, 心膜切開を伴うため, 術後収縮性心膜炎を来し得る可能性が指摘されていた. しかし実際の報告例はこれまでなくまれな合併症であると考えられる. 症例は61歳, 男性. 左開胸にて下行大動脈人工血管置換術を施行した. 補助手段として遠心ポンプによる左房脱血の左心バイパス法を用いた. 術後3週間目頃より熱発及び心不全症状が出現し, 胸部CT検査, 心臓超音波検査を施行したところ収縮性心膜炎と診断され, 術後39日目に手術を施行した. 両心室前面から左室の側方及び後面が心嚢膜と強固に癒着しておりこれを剥離し, 肥厚した心嚢膜を切除した. 術後症状改善し, 患者は再手術後42日目に退院した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 収縮性心膜炎, 下行大動脈手術, 遠心ポンプ, 術後合併症
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