アブストラクト（41巻10号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 早期血栓閉塞型大動脈解離（DeBakey IIIb型）の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 泉谷裕則, 鈴木憲, 九鬼覚, 松村龍一, 奥田彰洋 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 大阪労災病院心臓血管外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 41 |
| Number ： | 10 |
| Page ： | 2136-2140 |
| Year/Month ： | 1993 / 10 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 急性期に胸腔内出血を来し手術により救命し得た早期血栓閉塞型大動脈解離の1例を経験した. 症例は73歳, 男性. 突然の胸背部痛, 貧血の進行, 左血胸を認め, 2日後にショックとなった. 胸部造影CT像にて下行大動脈全長にわたり三日月型の低濃度域を認めた. 大動脈造影像にて解離腔は造影されず, ulcer-like projection（ULP）像を認め, そこより胸腔内へ造影剤のリークを認めた. 胸腔内破裂を伴う早期血栓閉塞型大動脈解離（DeBakey IIIb型）が疑われ手術を施行した. 左第4肋骨床開胸後, 新たな瘤よりの出血は認めず, 癒着した肺を剥離した部位より出血を認めた. 補助手段に左心バイパスを用い瘤を切開した. ULP像に一致した部位の2cm大のentry, 解離腔の血栓化を認めた. 瘤を切除し, 断端補強後, 人工血管置換術を施行した. 術後再解離を認めず経過良好である. ULPが経過において破裂の可能性を示唆する所見として重要であると考えられた. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 血栓閉塞型大動脈解離, 胸腔内破裂, 人工血管置換術, 左心バイパス, ulcer-like projection |
