アブストラクト(41巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 著しい右室圧排所見を呈した心膜由来の巨大中皮腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 島村吉衛, 島倉唯行, 中野秀昭, 勝間田敬弘, 伊橋健治*, 坂本貴彦*
Authors(kana) :
Organization : 福山循環器病院外科, *東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 10
Page : 2141-2145
Year/Month : 1993 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は79歳, 男性. 次第に増強する呼吸困難を主訴に来院. 心エコーにて心臓前面に径10×10cmの巨大腫瘍を認め, 右室は腫瘍に圧排され偏平化していた. 術前の血管造影では冠状動脈及び内胸動脈から腫瘍への明確な栄養血管を認めず, また腫瘍マーカーも陰性であった. 入院11日目に腫瘍摘出術を施行. 腫瘍は右室から主肺動脈の前面にかけて存在し, 大きさ17×12×10cm, 重さ900gと巨大なものであった. 病理組織学的には非常に未分化で血管に富んだ非上皮性腫瘍であり, 心膜由来のlow grade malignant mesotheliomaと考えられた. 心膜に原発する腫瘍は非常にまれであり, 外科的切除により治癒した報告は少ない. 本症例は肉眼的ばかりでなく, 組織学的にも特異であることから興味ある1例として報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心膜中皮腫, 心不全, 腫瘍摘出術
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