アブストラクト(41巻11号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 75歳以上の高齢者に対する冠状動脈バイパス術の成績 |
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Subtitle : | |
Authors : | 奏紘, 岡部学, 松岡正紀 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 県西部浜松医療センター心臓血管外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 41 |
Number : | 11 |
Page : | 2174-2179 |
Year/Month : | 1993 / 11 |
Article : | 原著 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 冠状動脈バイパス術(CABG)は本邦でも普及したが, 70歳以上の高齢者にこれを施行するにはいまだ問題がある. われわれは過去4年半に75歳以上の15症例に対しCABGを行った. 年齢は75から82歳, 平均76歳, 男5例, 女10例であり, NYHA分類III度9例, IV度6例であった. 15例中12例が不安定狭心症で, 4例に左主幹部病変があり左室駆出率0.3以下が2例あった. バイパスには全例自家大伏在静脈を用い, 平均バイパス数は2.7本/人であった. 7例が準緊急または緊急手術であったが死亡例はなかった. 何らかの合併症が11例に発生し, ICU症候群と肺合併症が多かった. 術後NYHAI度13例, II度2例で, 術後1年目に1例が肺炎で死亡した. 高齢者のCABGでは手術死亡や合併症が多いと報告されているが, 薬物治療に反応しない狭心症を有し且つバイパス可能な冠状動脈のある症例で重篤な他臓器合併症をもたない症例を選び, 術前, 後中, 術後管理を注意深く行えば75歳以上であっても安全で有意義であると考えられた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 冠状動脈バイパス術, 高齢者開心術, 完全血行再建術 |