アブストラクト(41巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 小児縦隔腫瘍症例の検討―成人症例との比較―
Subtitle :
Authors : 明石章則*, 中原数也, 大野喜代志, 藤井義敬, 前田元, 三好新一郎, 松村晃秀, 中川勝弘, 南正人, 松田暉
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *宝塚市立病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 11
Page : 2180-2184
Year/Month : 1993 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 手術を行った縦隔腫瘍628例のうち, 15歳以下の小児例106例(16.9%)を, 成人例522例(83.1%)と臨床病理学的に比較検討した. 全体として小児例は神経性腫瘍が47例(44.3%)と多く, 次いで奇形腫21例(19.8%)であった. 一方, 成人例は胸腺腫が189例(36.2%)と約3分の1を占め, 次いで奇形腫89例(17.1%)であった. 縦隔腫瘍の悪性頻度は, 小児例では35例(33.1%)であったのに対して成人例では245例(46.9%)で, 成人の方が小児と比べて悪性腫瘍の頻度が有意に高率であった(p<0.01). 悪性腫瘍は, 小児例でリンパ腫が14例(13.3%)と多く, 次に神経芽腫11例(10.5%)であるのに対して, 成人例は胸腺腫が127例(24.3%), リンパ腫66例(12.6%)であった. 良性腫瘍では小児の場合, 神経節腫30例(28.5%)が最も多く, 次に奇形腫19例(18.0%)であった. 一方, 成人例は奇形腫が68例(13.0%)と最も多く, 次に胸腺腫62例(11.9%), 気管支嚢腫31例(5.9%)であった. 初発症状は小児例が51例(48.1%)と半数近くが無症状で, 成人例では191例(36.6%)と約3分の1が無症状であった. 縦隔腫瘍による圧迫・浸潤症状は小児例では呼吸困難が16例(15.1%)と最も多く, 成人例では胸痛が59例(11.3%)と最も多かった. 呼吸困難は小児例が成人例と比較して有意に高く(p<0.01), 小児例に緊急手術を要する例が多かった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 小児縦隔腫瘍, 外科治療
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