アブストラクト(41巻11号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 左上大静脈遺残を合併し, 心房中隔欠損を伴わない右全肺静脈還流異常症の1治験例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 坂本滋, 高野徹, 安達昌宏, 伊藤順, 竹越襄, 清水健* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 金沢循環器病院循環器科, *金沢医科大学胸部心臓血管外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 41 |
Number : | 11 |
Page : | 2202-2205 |
Year/Month : | 1993 / 11 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 心房中隔欠損症(ASD)を伴わない部分肺静脈還流異常症(PAPVR)は比較的まれな疾患である. 今回われわれは, ASDを伴わない右肺静脈が右心房へ還流するPAPVRを経験し, 良好な結果を得たので, 本症の診断, 手術手技などに関して, 文献的考察を加え報告する. 症例は31歳, 女性. 小児期より心雑音を指摘されていたが放置, 最近心不全症状が出現して来たため入院した. 心臓カテーテル検査では左上大静脈遺残(PLSVC)を合併し, 肺対血流比(Qp/Qs)2.8のASDを伴わない右全肺静脈還流異常症と診断し, 手術を施行した. 手術は胸骨正中切開, 中等度低体温下に大動脈を遮断, 右心房を上大静脈側へ切開, ASDを大きく作製し, pericardial patchにてinternal conduitを作製, 肺静脈再建を行った. また, 同時に右心房, 上大静脈形成も加えた. 術後は不整脈なども認めず, 良好に経過した. 術後の肺動脈造影でinternal conduitの狭窄, 血栓形成も認めず, 右肺静脈の左心房への還流は良好であった. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 右全肺静脈還流異常症, intact atrial septum, 左上大静脈遺残, internal conduit |