アブストラクト(41巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 放射線療法後の広範な心筋石灰化により心不全を呈した1例
Subtitle : 症例
Authors : 高橋昌一, 米田喜與志, 横山斉, 田中茂穂
Authors(kana) :
Organization : 青森県立中央病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 11
Page : 2206-2209
Year/Month : 1993 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は28歳, 女性. 5歳時に, 熱傷(前胸部)後のケロイドに対して, 放射線療法を受けた. 近医入院中, 重度の三尖弁閉鎖不全による重症心不全と胸部X線写真で心陰影内の石灰化を指摘された. 手術時, 右心室及び心室中隔の石灰化による心室壁運動の消失と三尖弁の変形を認め, 三尖弁置換術を施行した. 心筋の石灰化は放射線療法が行われた部位に一致していた. 術後経過は良好で, NYHA IV度からII度へと改善した. 本症例は小児期の放射線療法が心筋石灰化の原因と考えられる極めてまれな症例と思われる. 心筋細胞への石灰沈着の病因には, 腎疾患, 心筋梗塞, 心筋炎などがあげられる. 今回コバルト(60Co)照射を受けたことのある症例にて, 心筋の広範な石灰化とそれに伴う三尖弁閉鎖不全による心不全を呈した1症例を経験したので報告する. 「症例」 患者:28歳, 女性. 主訴:労作時息切れ. 既往歴・現病歴:5歳時, 前胸部の熱傷後のケロイドに対して60Co照射を数回うけた. 22歳時, 胃潰瘍のため胃切除をうけた. この時の胸部X線写真で心陰影内の石灰化を指摘された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 放射線療法, 心筋石灰化
このページの一番上へ