アブストラクト（41巻11号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 後天性気管・気管支軟化症を合併した冠状動脈バイパス術の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 服部隆司, 寺田康*, 吉村幸浩, 間瀬憲多朗, 赤荻栄一*, 堀原一* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 筑波大学附属病院循環器外科, *筑波大学臨床医学系外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 41 |
| Number ： | 11 |
| Page ： | 2216-2219 |
| Year/Month ： | 1993 / 11 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 後天性気管・気管支軟化症は, 症状が慢性閉塞性肺疾患に類似しているため, 術前は本症として認識されていない場合が多い. 本報告例は55歳, 男性. 既往歴に激しい咳嗽発作があった. 不安定狭心症に対し, 準緊急的に冠状動脈バイパス術を施行したが, 術後本症による急性呼吸不全により, 2度の心肺蘇生を必要とした. CT scanで気管から右主気管支にかけての扁平化と, 気管支鏡検査で咳嗽時に膜様部が伸展し内腔が狭窄する所見を認めた. 三日月型の後天性気管・気管支軟化症と診断し, 慎重な呼吸管理を行い, 良好な結果を得た. 咳嗽発作の既往と胸部CT scanで気管・気管支の扁平化を認める場合には, このことを念頭におき十分注意する必要がある. 後天性気管・気管支軟化症は, 気道内腔を支持する組織が脆弱なため, 呼気性の気道狭窄を来す病態で, Baxterら1）が1963年にtracheomalaciaと命名し報告している. その後, 手術方法の確立と共に報告例は増加し, 関心を集めるようになってきた2）3）. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 後天性気管軟化症, 気管支鏡検査, CT scan, 心肺蘇生 |
