アブストラクト(41巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 頸部腫瘤として触知した成人の奇形腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 澤藤誠, 柿崎徹, 山本達也, 菊池功次, 小林紘一, 伊藤國彦*
Authors(kana) :
Organization : 慶應義塾大学医学部外科, *伊藤病院
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 11
Page : 2220-2223
Year/Month : 1993 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 頸部に発生する奇形腫は比較的少ないがそのほとんどが1歳までに発見されるもので成人例はまれである. われわれは頸部腫瘤として触知した成人の奇形腫の1例を経験したので報告する. 症例は21歳男性. 右頸部甲状腺下極に連続し径3.5cmの腫瘤を触知した. CT, MRIでは頸部から縦隔にかけて多房性の軟部組織の濃度を示す腫瘍があり周囲臓器への浸潤は認めなかった. 201T1シンチで腫瘍の一部に集積を認めたが99mTcシンチでは甲状腺に欠損を認めなかった. 頸部襟状切開に胸骨正中切開を加え腫瘍を摘出した. 病理組織学的検査の結果成熟奇形腫と診断した. 手術所見より頸部に発生した奇形腫と考えられた. 術後1年7ヵ月再発などの徴候を認めていない. 頸部に発生する奇形腫は比較的少ないが, その多くは新生児にみられるもので成人にみられるものはまれである1). われわれは, 21歳男性の頸部に腫瘤として触知した奇形腫の1例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 頸部腫瘤, 奇形腫, 縦隔腫瘍
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