アブストラクト(41巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : エンドトキシンによるラット急性肺損傷モデルに対するウリナスタチンの効果―特に白血球粘着と活性酸素について―
Subtitle :
Authors : 南谷佳弘, 阿保七三郎, 北村道彦, 泉啓一, 佐藤弘樹, 木村愛彦, 斉藤智
Authors(kana) :
Organization : 秋田大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 12
Page : 2364-2371
Year/Month : 1993 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : エンドトキシン投与による急性肺損傷モデルの生体肺微小循環における多核白血球の粘着と過酸化水素産生に対するウリナスタチンの効果を検討した. 方法:麻酔下, 人工呼吸下のラットに4.5mg/kg/時で120分間エンドトキシンを持続静注してラット急性肺損傷モデルを作成した. 多核白血球と過酸化水素をそれぞれ螢光色素acridine red, dichrolofluorescin diacetateを静注することにより生体染色を行い, 螢光顕微鏡, 超高感度カメラ, ビデオテープレコーダ, 画像解析装置, コンピュータを組み合わせたシステムにより肺微小循環における多核白血球の粘着と過酸化水素の産生を解析した. ウリナスタチンはエンドトキシンの投与直前に5万単位/kgを静注し, その後5万単位/kg/時で持続静注した. 結果:エンドトキシンを投与されたラットは, 生理食塩水を静注したコントロールラットと比較して肺毛細血管に多核白血球が有意に粘着し(p<0.001), また粘着した多核白血球から過酸化水素が有意に産生された(p<0.001). そしてウリナスタチンはエンドトキシンの投与による多核白血球の肺毛細血管への粘着を46%抑制(p<0.001)し, 同時に過酸化水素の産生を51%抑制した(p<0.001). 結語:以上の実験結果よリウリナスタチンが実際に生体肺微小循環において多核白血球の粘着, 過酸化水素の産生を抑制することが明らかとなった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺損傷, ウリナスタチン, 過酸化水素, 多核白血球, 微小循環
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