Authors : |
小林順二郎*, 松田暉, 中埜粛, 島崎靖久, 三浦拓也, 井川誠一郎, 光野正孝, 高橋由美子, 川島康生** |
Abstract : |
ファロー四徴症(TF)根治術後遠隔期症例38例を対象として, 心臓カテーテル検査時に仰臥位での運動負荷試験を施行した. TF例では, 負荷時において, 対照例(機能性雑音6例)に比して, 心係数, 心拍数, 1回拍出指数とも有意に低値であった. 右室拡張末期圧, 左室拡張末期圧は, 対照例においては負荷時有意の変化を認めなかったが, TF例では有意の上昇を認め, 負荷時対照例に比して有意に高値であった. 総肺血管抵抗は, 負荷時対照例では有意に低下したが, TF例では低下せず, 安静時, 負荷時とも対照例に比して有意に高値であった. 負荷時心係数良好群(心係数5.0L/min/m2以上)と不良群(心係数5.0L/min/m2未満)を比較すると, 1回拍出指数, 右室駆出率は良好群で有意に高値であった. 総肺血管抵抗, 右室拡張末期及び収縮末期容積, 左室拡張末期及び収縮末期容積は良好群で有意に低値であった. 心拍数, 左室駆出率, 右室肺動脈圧較差, 右室左室収縮期圧比, 肺動脈弁閉鎖不全の程度は両者間に有意の差を認めなかった. 以上より, TF術後の運動機能は正常に比して低下しており, その原因として心拍数の増加不良, 肺循環動態の異常, 心室の収縮及び拡張機能の障害が示唆された. |