アブストラクト(41巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 外傷性三尖弁閉鎖不全症の2治験例
Subtitle : 症例
Authors : 安宅啓二, 太田稔明, 岡田昌義, 岡田健次, 南裕也, 芳村直樹
Authors(kana) :
Organization : 神戸大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 41
Number : 12
Page : 2383-2388
Year/Month : 1993 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : まれな非貫通性外傷性三尖弁閉鎖不全の2例を経験した. 症例1:46歳, 男性. 21年前に乗用車運転中に正面衝突, ハンドルで胸部打撲, その後無症状であったが, 1年前より全身倦怠感, 下肢の浮腫が出現するようになった. 症例2:16歳, 男性. 3年前に自転車で走行中に事故に遭い, 胸部を打撲, 易疲労感を主訴に来院した. 2症例とも超音波検査にて前尖の腱索断裂による三尖弁閉鎖不全症と診断され, 三尖弁置換術が施行された. 自験例を含め本邦での手術報告例22例を集計し, 本疾患の診断と治療について考察を加えた. 交通事故や労働災害によって生じる外傷性三尖弁閉鎖不全症は極めてまれで, Parmleyら1)によれば非貫通性心臓外傷のうちの1.6%(546例中9例)にすぎない. 右心系に発生する本症は急激な心不全を呈することは少なく, 受傷後数年を経過して発見される場合が多いという特徴があり, 最近, 本邦でもその報告が散見されるようになってきている. 教室でも2例の外傷性三尖弁閉鎖不全症を経験したので, その術前, 術後経過を呈示すると共に, 本症の診断及び治療につき検討を加えたので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 三尖弁閉鎖不全症, 非貫通性胸部外傷, 腱索断裂, 三尖弁置換術
このページの一番上へ