アブストラクト（41巻12号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 解離性大動脈瘤に合併した左冠状動脈主幹部動脈瘤の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 渡辺敦, 数井暉久, 馬渡徹, 川村英樹, 稲岡正巳, 小松作蔵 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 札幌医科大学第2外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 41 |
| Number ： | 12 |
| Page ： | 2441-2445 |
| Year/Month ： | 1993 / 12 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は47歳男性. 胸部（DeBakey IIIa型）及び腹部に限局した解離性大動脈瘤と診断されていたが, 胸部解離性大動脈瘤に対しては, 既に人工血管置換術を受けている. 今回, 腹部大動脈瘤の手術目的で入院したが, 術前冠状動脈造影で径約3cmの左冠状動脈主幹部動脈瘤が発見された. 冠状動脈瘤に合併する心筋梗塞, 瘤破裂の危険性を考慮し, 腹部大動脈瘤手術に優先し手術を行った. 手術は瘤空置, 流入, 流出冠状動脈閉鎖兼冠状動脈バイパス術を行った. 心筋保護法には冠状動脈瘤末梢への血栓塞栓による心筋梗塞の防止と冠状動脈瘤処理中の心筋保護の簡便化を目的に順行性および逆行性冠灌流を併用した. 冠状動脈瘤は, 末梢動脈瘤のなかでもまれな疾患とされ, ことに左主幹部に発生するものは極めて少ない. 放置すれば, 瘤破裂, 瘤内血栓に起因する心筋梗塞のため, 予後は不良で, 外科的処置が必要である. 著者らは胸部と腹部に限局する解離性大動脈瘤に合併した左冠状動脈主幹部動脈瘤症例を経験したので, 若干の文献的考察とともに報告する. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 左冠状動脈主幹部, 冠状動脈瘤, 冠状動脈バイパス術, 逆行性冠灌流, 解離性大動脈瘤 |
