アブストラクト(42巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術症例に対するドレーン貯留血直接返血の安全性と有効性に関する検討
Subtitle :
Authors : 今脇節朗, 前田肇, 白石恭史, 有岡一郎, 鵜川豊世武, 田中聰
Authors(kana) :
Organization : 香川医科大学第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 1
Page : 31-37
Year/Month : 1994 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術症例20例にドレーン貯留血の直接返血を術後12時間目まで行い(返血群), 非返血群10例と比較検討した. 返血群の術後24時間以内のドレーン出血量に対する返血率は65.1±17.1%であった. 同種血輸血量は返血群で1,396±1,674ml, 非返血群で780±1,194mlであり, 両群間に有意差は無かったが返血群で多く, 同種血節減効果はみられなかった. 術後の血液生化学検査をみると返血群のCPK・尿素窒素及びクレアチニンは非返血群より有意に高値であったが, これらの変化は一過性且つ軽微であり, 安全性には問題がなかった. しかし, 手術翌日のprothrombin timeは返血群で有意に低値であり, ドレーン貯血直接返血法そのものが出血を増大させる可能性があると考えられた. また, 大量出血例ではシステム内フィルターに血栓形成がみられ, 従来の報告のようにドレーン貯留血が十分にdefibrinogenationされているとは言いがたい. 以上より安全ではあるが, 有効性は疑問であると結論した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 開心術, ドレーン貯留血, 直接返血
このページの一番上へ