Abstract : |
従来の蘇生術では心拍再開が得られなかった来院時心停止症例に対してPercutaneous Cardiopulmonary Support(PCPS)を用いた蘇生術を行った. 原疾患は急性心筋梗塞(AMI)が2例, クモ膜下出血(SAH)が1例で, 全例蘇生に成功し, うち1例を救命した. 症例1は47歳, 女性. 左冠状動脈前下行枝(LAD)#6の閉塞によるAMIのため心停止状態で来院した. PCPSで蘇生に成功し, LAD#6に対してPTCA(Percutaneous transluminal coronary angioplasty)を行い, 救命したが, 軽度の意識障害が残った. 症例2は49歳, 男性. SAHのため, 心停止状態で来院した. 蘇生に成功し, PCPSから離脱したが, 入院3日目に原疾患で失った. 症例3は61歳, 男性. LAD#6閉塞によるAMIのための来院時心停止症例で, PCPS補助下にPTCAを行い蘇生した. 術後, 左心不全が改善しないため, 左心バイパスに移行したが, 入院6日目に出血性脳梗塞のため死亡した. PCPSは来院時心停止患者の蘇生, 循環動態の安定には有効で, 新しい蘇生法としての可能性が示唆されたが, 完全社会復帰まで含めた治療効果に関しては今後, さらに検討が必要と思われた. |