アブストラクト(42巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈弁輪周囲膿瘍を合併した活動期感染性心内膜炎の外科治療経験―特に膿瘍腔の処置, 経過について―
Subtitle : 症例
Authors : 北川哲也, 加藤逸夫, 堀隆樹, 滝浩樹*, 石川雅康*, 新野秀樹*
Authors(kana) :
Organization : 徳島大学医学部心臓血管外科, *鳴門病院循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 1
Page : 132-138
Year/Month : 1994 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 大動脈弁輪周囲膿瘍を伴う活動期感染性心内膜炎の2例に外科治療を施行し, 良好な経過をとった. 大動脈弁はいずれも二尖弁で, 膿瘍腔は1例で左冠状動脈口の少し右側から大動脈後面で右側交連部に, 他の1例は左側交連部の前後に位置し, 弁輪周径の約1/3が欠損し, バルサルバ洞の膿瘍腔につながっていた. 冠状動脈口はいずれもintactであった. 膿瘍腔の十分なdebridementの後, 内腔よりpatch閉鎖し, 前者では外側より脆弱な瘤壁を切除し, 膿瘍腔をつぶすように残存する瘤壁で被覆したが, 後者では腔をそのまま放置した. 人工弁(機械弁)は, いずれも1/3周はこのpatchに縫着し, 自己大動脈弁輪に移植した. 炎症反応の完全な正常化に前者では1ヵ月半, 後者では3ヵ月を要した. 前者の腔は術後早期より認めないが, 後者では13ヵ月後にもecho freeの腔として存在している. 解剖学的に死腔がつぶせない症例では, 遺残感染に対する注意深い観察が必要と思われる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 活動期感染性心内膜炎, 大動脈弁輪周囲膿瘍, 膿瘍腔のpatch閉鎖, 膿傷腔の経過
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