アブストラクト(42巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 経皮的冠状動脈形成術と冠状動脈バイパス術の遠隔成績とcost-effectivenessの検討
Subtitle :
Authors : 大橋博和, 堤泰史, 村上晃, 上山圭史, 深原一晃, 山下昭雄, 大中正光
Authors(kana) :
Organization : 福井循環器病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 2
Page : 222-227
Year/Month : 1994 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 経皮的冠状動脈形成術(PTCA)313例と冠状動脈バイパス術(CABG)161例の, 術後2年~5年9ヵ月(平均3年10ヵ月間)の臨床成績, 入院期間, 医療費を比較検討した. PTCA群では, 1~2枝病変例が多く, 対象標的数1.33, 初期成功率87.1%, 死亡率0.3%で, 再狭窄率は29.1%あり, のべ100回の再PTCA, CABGが施行された. CABG群には3枝病変, 左冠状動脈主幹部病変例が多く, バイパスグラフト数2.60, 早期開存率92.2%, 死亡率1.2%で, 術後経過中3例にPTCAが施行された. 以下PTCA/CABGの順に示すが, 経過中の総入院日数は平均21.9日/82.2日, 総入院費用は207.1万円/512.2万円の差があったが, 術後のcardiac event-free survival rateは術後2年で74.4%/96.3%, 5年で71.1%/92.8%でCABG群がはるかに良好であった. 罹患冠状動脈病変の別に検討して, 2枝症変では, 総入院日数24.1日/86.2日, 総入院費用235.2万円/490.3万円であったが, 一方cardiac event-free survival rateは, 術後2年, 5年とも69.9%/97.7%であった. 3枝病変群では, 総入院日数32.7日/82.4日で, 総入院費用は261.2万円/522.5万円であったが, cardiac event-free survival rateは術後2年で51.7%/96.0%, 5年で48.3%/88.0%と極めて大きな差が見られた. 拡大成功枝数/開存グラフト数は1.34/2.66であることから考えても, 少なくとも3枝病変群ではcosteffectivenessの観点から見てCABGが優れていると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 経皮的冠状動脈形成術, 冠状動脈バイパス術, cost-effectiveness, PTCA, CABG
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