アブストラクト(42巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺癌術後における運動能力回復過程評価の試み―運動負荷試験を加えた呼気ガス分析による―
Subtitle :
Authors : 永松佳憲, 小野博典, 平木啓正, 松尾敏弘, 福田雅之, 光岡正浩, 林明宏, 林田良三*, 山名秀明, 掛川暉夫
Authors(kana) :
Organization : 久留米大学医学部第1外科, *古賀病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 2
Page : 228-232
Year/Month : 1994 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 運動負荷を加えた呼気ガス分析を用いて, 肺癌手術における運動能力の変化を数値化すると共に, 経時的な運動能力の回復過程の面からも検討を加え, 肺癌術後の運動能力回復を客観的に評価する新しい基準を作成した. 1989年から1992年の4年間に肺癌に対する治癒切除術(肺葉切除術)が行われ, 且つ術前及び術後に運動負荷を加えた呼気ガス分析が施行できた47例を対象とした. 術前1週間以内及び術後14日から449日にわたって運動負荷を加えた呼気ガス分析を行い, 最大酸素摂取量(Vo2max)とanaerobic threshold(AT)を測定し, 体表面積で除した指数としてのVo2max/m2とAT/m2を算出した. また, 術後の運動能力の変化をみるため, それぞれの術前値を100とし, 術後の変化率を求めた. 求めた変化率を下記の測定時期別に区分し, 術後の経時的変化を検討した. 術後の測定時期の区分は, 術後14日から30日以内(n=11), 31日から90日以内(n=25), 91日から180日以内(n=8), 181日から270日以内(n=19). 271日から449日以内(n=8)の5区分とした. 術後Vo2max/m2変化率の推移は, 術後30日までは75.9±22.1%と術前に比較して約24%の減少を示し, その後次第に増加して270日では90.2±15.2%にまで回復したが, それ以後は74.8±14.6%と逆に低下を示した. 術後AT/m2変化率の推移は, 術後30日までは72.4±16.8%と術前に比較して約28%の減少を示し, 術後90日で90.2±19.1%と回復し, その後は, ほぼ同程度の値で推移した.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺癌, 術後運動能力回復, 運動負荷呼気ガス分析
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