アブストラクト(42巻2号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 心室中隔穿孔術後に心房間の右左短絡を合併した1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 柴田利彦, 末広茂文, 西沢慶二郎, 佐々木康之, 服部浩治, 木下博明 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 大阪市立大学医学部第2外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 42 |
Number : | 2 |
Page : | 262-266 |
Year/Month : | 1994 / 2 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 術前には診断されなかった心房中隔欠損症(ASD)によって右左短絡を生じ, 術後管理に難渋した心室中隔穿孔(VSP)の1例を経験した. 症例は78歳, 女性. 急性心筋梗塞に伴うVSPに対し発症3病日に緊急手術を行った. 手術は梗塞部を可及的に切除しダクロンフェルトで中隔を形成し, これと両心室を短冊状のフェルトで挟み込み縫合閉鎖した. しかし, 術後に動脈血液酸素分圧の著しい低下を生じ, 左房血液酸素分圧との間に解離がみられた. 経食道超音波検査で心房レベルでの右左短絡が証明された. 心不全が増強したため遠心ポンプによるVAバイパスを行い, 2日後に離脱しえたが, 低拍出量症候群により術7日後に死亡した. 病理解剖で10mm大のASDを認め, また右冠状動脈の75%の狭窄と左室後下壁の新たな虚血性病変を認めた. 本症例では左心不全に加え高度の右心不全を合併したため, ASDを介する逆短絡を生じたものと考えられる. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 急性心筋梗塞, 心室中隔穿孔, 心房中隔欠損症, 右左短絡 |