アブストラクト(42巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 弓部関連大動脈手術時の大腿動脈送血による合併症とその予防策
Subtitle : 症例
Authors : 種本和雄, 杭ノ瀬昌彦, 金岡祐司
Authors(kana) :
Organization : 国立岩国病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 2
Page : 306-310
Year/Month : 1994 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 弓部関連大動脈瘤手術時に大腿動脈送血が原因と思われる合併症を発症した2症例を経験した. 症例1は弓部大動脈瘤手術例で, 合併していた腹部大動脈瘤の壁在血栓が大腿動脈送血によって逆行性に飛ばされて起こったと推察される広範な脳梗塞を発症した. 症例2は急性大動脈解離手術で, 大腿動脈送血を行った方の下肢の虚血からくるMNMSを発症し, 術後約3週間血液透析を要した. これらの症例の経験からできるだけ大腿動脈送血を避ける方針とした. 特に胸部腹部大動脈に壁在血栓などが疑われる時にはこれを逆行性に飛ばす可能性を常に考え細心の注意を払う必要がある. また, 大動脈解離などで大腿動脈送血が必須の場合でも, 再建人工血管に1本余分の枝をつけておき, 復温はその枝からの送血で行うことで, 下肢虚血時間を最短にすることができる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大腿動脈送血, 合併症, MNMS, 弓部大動脈瘤, 体外循環
このページの一番上へ