アブストラクト(42巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症に合併した慢性心房細動に対する左房隔離術を試みた1経験例
Subtitle : 症例
Authors : 末田泰二郎, 四方祐夫, 渡橋和政, 中島康, 呑村孝之, 松浦雄一郎
Authors(kana) :
Organization : 広島大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 2
Page : 311-315
Year/Month : 1994 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症で6年以上の心房細動歴のある65歳の女性に, 僧帽弁置換術を行うと共に, 左房切開を延長して, 左房隔離術を行った. 房室弁輪の近傍では左房切開は行わず冷凍凝固を加えた. 手術後は自然心拍動にて洞整脈に復し, 以後も7ヵ月間以上洞整脈を維持している. 本法は僧帽弁膜症に合併した慢性心房細動の外科治療として, Maze手術に比較すると, 右側左房の局所収縮が失われ, 抗凝固療法が必要となる欠点がある. しかし弁置喚が必要な患者では, 通常の左房切開を延長するのみで施行可能で, 大動脈の遮断時間の延長は15分あまりですむ利点がある. 抗凝固療法の必要な僧帽弁置換術施行患者では試みる価値があると思われた. 心房細動はリウマチ性弁膜疾患の患者の40~50%1)~3)に合併しており, 特に僧帽弁膜症でその頻度が高い. 僧帽弁膜症に対する外科手術後も心房細動が残存ないし再発する頻度は高く, 35~80%4)~6)と報告されている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 慢性心房細動, 僧帽弁膜症, 左房隔離術
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