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最近14年間に経験した感染性心内膜炎(IE)67症例について手術成績関連因子と遠隔予後を検討した. 男女比は45対22で年齢は6歳から71歳, 平均44歳であった. 内訳は先天性心疾患11例を含む自己弁感染(NVE)62例, 人工弁感染(PVE)5例で, 活動期手術(A期)36例, 治癒期手術(H期)31例である. 大動脈弁輪部膿瘍を6例(A期/H期:5/1)に認めた. 術前に起炎菌を同定できたものは41例で菌種別にはStreptococcus属20(A期/H期:13/7)例, Staphylococcus属11(A期/H期:7/4)例, Enterococcus属6(A期/H期:4/2)例, Gram negative属4(A期/H期:1/3)例であった. 入院死亡は67例中15例(22.4%)で, 原因は多臓器不全6例, 低心拍出量症候群4例, stuck valve2例, 不整脈1例, GVHR1例, 脳血管障害1例であった. 生存, 死亡の2群間比較では術前のCTR, LDH, BUN, NYHA心機能分類, A期手術, AVR症例, 手術時期(87年以前/88年以後), 大動脈弁輪部膿瘍及び大動脈遮断時間に有意差(p<0.05)を認めた. 更に多重ロジスティック回帰分析では術前のBUN, 手術時期とAVR症例が手術成績に有意に関連していた. 遠隔死は耐術例52例中5例であった. 内訳はPVE2例, 脳血管障害1例, 直腸癌及び食道癌各1例であった. 全体の10年生存率は89%であった. IEの手術成績はA期のAVR症例で心不全の強いものほど不良であるが, 術前から腎機能障害や異化亢進がある症例は特にriskが高いと考えられる. しかし, A期症例でも炎症が弁尖にとどまる限りは, H期例同様良好な成績が期待できるので早期の積極的な外科治療が望まれる. |
