アブストラクト(42巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右胃大綱動脈によるSequential bypassを行った冠状動脈バイパス術症例の検討
Subtitle :
Authors : 岩淵知, 高橋賢二, 成田敦志, 長尾好治
Authors(kana) :
Organization : 青森労災病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 3
Page : 366-370
Year/Month : 1994 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 近年, 冠状動脈バイパス術の長期成績向上を目的として内胸動脈(ITA), 右胃大綱動脈(RGEA)の動脈グラフトが積極的に使用されてきている. 最近4年間で, 当科でRGEAを使用して冠状動脈バイパス術を行った症例は64例で, 17例にsequential bypassを行った. 性別では男性13例, 女性4例で, 年齢は40~78歳, 平均バイパス数は3.3本であった. 内訳は, LAD-Dxが7例, RCA-LCxが6例, RCA-LADが2例, LCx#14-#12が1例, RCA-LCx#14-#12が1例である. 1例を術後遠隔期に, 脳梗塞で失った. 術後造影は16例に行い, RCA-LADバイパス施行2例にLAD側の閉塞を認め, 早期開存率は93.9%(31/33)と満足できるものであった. RGEAはITAに比し長さ, free flowに余裕があり, どの部位の冠状動脈にも到達が可能であった. また, 閉塞例, 高度狭窄例に限定して行えば, LAD-Dxの逆行性吻合の開存率も良好で, 動脈グラフトによる多枝バイパス術に有用な手段となり得ると判断された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 右胃大網動脈, 動脈グラフト, sequential bypass, 多枝冠状動脈バイパス術
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