アブストラクト(42巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 気管支に発生した神経鞘腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 羽隅透, 近藤丘, 佐川元保, 杉田真, 斎藤泰紀, 藤村重文
Authors(kana) :
Organization : 東北大学医学部加齢医学研究所外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 3
Page : 393-398
Year/Month : 1994 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は30歳, 女性. 入院の2ヵ月前より咳嗽, 熱が出現し, 胸部X線写真上右中下肺野の無気肺像を認めた. 気管支鏡検査にて中間幹を完全閉塞する腫瘤がみられ, 生検により神経鞘腫と診断された. 気管支鏡下に高周波スネアを用いて部分切除を行い, 腫瘍は中間幹から右B6入口部にかけた膜様部より発生していることが判明した. 2週間後, 右S6管状区域切除術を施行し腫瘍を完全に摘出し得た. 術後は順調であり再発や吻合部狭窄を認めず健在である. 肺・気管支系に発生する神経鞘腫はまれな疾患であり, 気管支原発では18例の報告をみるのみである. 神経鞘腫はSchwann細胞から発生する良性腫瘍で, 末梢神経の存在するあらゆる部位に発生し得るが, 胸部では胸壁, 後縦隔に好発し気管支や肺に発生することは極めてまれである. 今回われわれは右中間幹に発生した神経鞘腫の1例を経験したので, 文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 気管支内良性腫瘍, 神経鞘腫, 気管支形成術, 高周波スネア
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