アブストラクト(42巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 薬剤性肝障害のためワーファリン中止後に生じたSJM弁血栓弁の1例
Subtitle : 症例
Authors : 松川律, 上村重明, 福地晋治, 鶴田好孝, 村上和
Authors(kana) :
Organization : 千葉市立海浜病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 3
Page : 413-415
Year/Month : 1994 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : SJM弁による大動脈弁置換術の2年6ヵ月後に発症した人工弁血栓弁を経験した. 症例は51歳女性. 初回手術後ワーファリンによる抗凝固療法を開始したが, 同剤による薬剤性肝障害を生じたため, 投与が不可能となった. 抗血小板剤を用いコントロールを試みたが, 人工弁血栓弁の発症を認め生体弁による再弁置換術を施行した. ワーファリンによる薬剤性肝障害は極めてまれであり, 内外で数例の報告を認めるにすぎない. 薬剤性アレルギーには十分な注意が必要であり, 直面した際には迅速な診断と適切な対応が求められると考えられた. Warfarin potassium(以下ワーファリン)による肝障害は極めてまれであり, その報告例もわずか数例に過ぎない. 今回われわれは人工弁置換術後にワーファリンによる抗凝固療法を施行したが, 同剤によると思われる薬剤性肝障害を生じワーファリン投与の中止を余儀なくされ術後3年を経て人工弁血栓弁にて再弁置換術を施行するに至った1例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 人工弁血栓弁, ワーファリン, 薬剤性肝障害
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