アブストラクト(42巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸壁原発のPrimitive Neuroectodermal Tumor(Askin腫瘍)の1例
Subtitle : 症例
Authors : 稲田啓次*, 中原数也*, 藤井義敬*, 松村晃秀*, 大植孝治**, 松田暉*
Authors(kana) :
Organization : *大阪大学医学部第1外科, **大阪大学医学部小児外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 3
Page : 416-422
Year/Month : 1994 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は12歳, 女児. 右胸腔の約80%を占める胸壁原発腫瘍の精査加療のため当科へ紹介された. 術前針生検標本の病理診断は小円形細胞肉腫であった. 手術所見は右胸腔内に多嚢胞性腫瘤を認め, 第 6, 7肋骨と一塊になっていたため, 胸壁を合併切除して完全摘出した. 病理組織像は一面に広がる小型円形細胞悪性腫瘍像であり, ロゼット形成はなかったが, 免疫組織科学染色でneuron specific enolase(NSE)に陽性であったため胸壁原発のprimitive neuroectodermal tumor(PNET)と診断した. 術後自家骨髄移植を併用した化学療法を施行した. 術後2年経過したが再発の兆候はなく外来で経過観察中である. 自験例は本邦で36例目のPNET症例であり, そのうち胸部に発生するもの, すなわちAskin腫瘍としては9例目であった. 小児の悪性胸壁腫瘍で臨床病理学的にprimitive neuroectodermal tumor, いわゆるAskin腫瘍と考えられる1例を経験したので文献的参考を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : primitive neuroectodermal tumor, Askin腫瘍, PNET, 悪性神経上皮腫, 小円形細胞肉腫
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