アブストラクト(42巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 異種生体弁付き心外導管の遠隔期狭窄とその対策-Balloon dilatationの限界-
Subtitle :
Authors : 小林順二郎**, 松田暉*, 中埜粛*, 島崎靖久*, 門場啓司*, 三浦拓也*, 井川誠一郎*, 光野正孝*, 高橋由美子*, 川島康生**
Authors(kana) :
Organization : *大阪大学医学部第1外科, **国立循環器病センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 4
Page : 551-556
Year/Month : 1994 / 4
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 異種生体弁付き導管を用いて根治手術を施行した, 先天性心疾患症例41例について, 術後平均5.2±3.7年(最長13年)の遠隔成績を検討した. 遠隔死亡は8例(うち突然死3例), 再手術は11例であった(うち導管置換7例). 導管置換術のみによる手術死亡はなかった. Actuarial reoperation free survival rateは, 術後5年で73%, 術後10年で54%であった. 術後33例に心臓カテーテル検査を施行し, 術後年数(x)と心外導管前後圧較差(ymmHg)の間にはy=20.7+9.7x(r=0.74, p<0.001)の有意の直線相関を認めた. 導管狭窄の著明な15例にBalloon dilatation(BD)を施行した. BDによる右室左室収縮期圧比はBD前の平均0.97±0.22から, BD後の平均0.70±0.16に, 導管前後の圧較差はBD前の平均85±29mmHgから, BD後の平均54±22mmHgに有意に低下した(p<0.001, p<0.001). しかしながら4例においては, BDは無効で, 導管置換術を施行した. 異種生体弁付き導管狭窄の進行は早く, BDの有効性は限られていた, 導管狭窄の再手術の成績は良好なことより, 適切な時期の導管置換術が望ましいものと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 異種生体弁, Balloon dilatation, 心外導管
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