アブストラクト(42巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左開胸・非体外循環下冠状動脈再手術の1例
Subtitle : 症例
Authors : 木川幾太郎, 須磨久善, 西見優, 堀井泰浩, 福田幸人, 鰐渕康彦
Authors(kana) :
Organization : 三井記念病院循環器センター外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 4
Page : 603-606
Year/Month : 1994 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は75歳, 女性. 左主幹部及び右冠状動脈病変に対して, 過去に2度の胸骨正中切開による冠状動脈バイパス術(CABG)を受けている. 左前下行枝(LAD)領域の虚血に対し, 今回3度目のCABGを左開胸・非体外循環下に行った. 大伏在静脈を採取し右大腿動静脈を確保後, 左第5肋間で開胸した. 下行大動脈に静脈グラフトを端側吻合後, LADへの吻合部直上の旧静脈グラフトに新グラフトを端側吻合した. LADへの血流遮断時間は7分で, この間の循環動態の変動や心電図変化は認めなかった. 従って体外循環のためのカニュレーションも必要とせず, 手術は3時間55分で終了した. 経過は順調で術後の冠状動脈造影でグラフトの開存が確認された. 左開胸アプローチによる冠状動脈再手術は胸骨正中切開に比べ, 心筋や開存グラフト損傷の危険が少なく有利である. 更に体外循環を用いずに吻合を行うことにより, 手術侵襲を最小限に抑えることができ良好な結果をえた. 冠状動脈バイパス術(CABG)の症例を重ねるにつれ, 近年, 再手術症例も増加しつつある. 今回われわれは, 3回目のCABGを左開胸下に体外循環を使用せずに行い, 良好に経過した1例を経験したので, ここに報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠状動脈バイパス再手術, 左開胸, 人工心肺非使用
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