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異型大動脈縮窄症, kinking of aortic archに合併した弓部大動脈瘤を経験したので報告する. 症例は17歳, 男性. 生下時より心雑音にて経過観察されていた. 8歳時の血管造影にて大動脈縮窄症, kinking of aortic archと診断された. その時左右上肢に20mmHgの血圧差があったが, 症状もなく狭窄後拡張も軽度であったことより年1～2回の経過観察となった. 17歳時長距離走で倦怠感を訴えるようになり, 胸部X線上左第I弓が瘤状に拡大していたため血管造影を施行したところ, 狭窄後拡張していた動脈が瘤を形成していた. また左鎖骨下動脈は瘤末梢の下行大動脈から分岐していた. 瘤破裂の恐れがあるため手術を施行した. 手術はextra-anatomical bypassを造設し瘤を人工血管に置換した. 術後経過は良好で約1ヵ月後に退院した. 本症例のように10年の経過の後急速に拡大する動脈瘤もあり, 画像診断による定期的な経過観察が重要であり, 瘤の形成を認めたら早期に手術をすべきである. 異型大動脈縮窄症は, 大動脈縮窄症のなかで縮窄が大動脈峡部(isthmus)に存在せず弓部にある比較的まれな疾患とされている. 今回われわれは異型大動脈縮窄症, kinking of aortic archに合併した弓部大動脈瘤に対して手術を施行した症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. |
