アブストラクト(42巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 早期閉塞型解離性大動脈瘤の検討
Subtitle :
Authors : 国原孝, 俣野順, 明神一宏
Authors(kana) :
Organization : 国立札幌病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 6
Page : 852-859
Year/Month : 1994 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 昭和60年2月から平成5年11月までの8年9ヵ月間に, 当科に発症後2週以内の急性期に入院した解離性大動脈瘤46例のうち早期閉塞型は15例(32.6%)あり, これらに対して検討を加えた. スタンフォード分類ではB型に多く, 解離腔開存型に比べて平均年齢は高い傾向にあった. 血管造影では11例中9例(81.8%)にulcer like projectionが認められた. 発症後48時間以内の血液凝固線溶系の検討(全33例)では, 早期閉塞型は解離腔開存型に比べてFDPが有意に低く, fibrinogenが有意に高く, その診断上参考所見としてFDP≦10μg/ml, fibrinogen≧300mg/dlが考えられた. 急性期治療はA型の1例に手術が, 残る14例に保存的治療が施され, 慢性期に手術死亡したA型1例を除き, 現在最長6年5ヵ月の観察期間中全例生存している. 今回, われわれの施設では急性期解離性大動脈瘤に対する治療方針を再検討した. すなわち, 解離腔開存型には従来通りA型には緊急手術. B型には合併症の有無に応じていずれかを選択する. 早期閉塞型はスタンフォード分類にかかわらず原則的に降圧療法とし, A型で合併症を有する症例には随時手術を考慮することとした. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:852-859)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 早期閉塞型解離, 心タンポナーデ, ulcer like projection, FDP, fibrinogen
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