| Title ： |
大動脈弁膜症における肺高血圧-心機能から見た肺高血圧の意義と術後改善性- |
| Subtitle ： |
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| Authors ： |
藤野信一郎, 中野清治, 青見茂之, 中谷速男, 萩野生男, 打田俊司, 西田博, 遠藤真弘, 橋本明政, 小柳仁 |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
42 |
| Number ： |
6 |
| Page ： |
860-864 |
| Year/Month ： |
1994 / 6 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
大動脈弁膜症に肺高血圧（以下PH）を合併することはまれではないが, その臨床的意義は不明である. そこでPHの原因と術後の改善との関連, 周術期の管理の問題点について検討した. 1986年～1991年に行った単独大動脈弁膜症に対する大動脈弁置換術のうち急性の大動脈閉鎖不全を除いた144例を対象とした. 対象を大動脈狭窄群（AS群：収縮期大動脈弁圧較差50mmHg以上, 大動脈造影にてSellers分類II度以下）と大動脈閉鎖不全群（AR群：Sellers分類III度以上）に分け各々のPH（+）群（収縮期肺動脈圧PAP40mmHg以上）とPH（-）群（同40mmHg未満）について術前左心機能とPHの関連, 術後のPHの改善性, 手術成績について比較検討した. PH（+）群をAR群84例中11例（13.1％）, AS群60例中7例（12.6％）計18例（12.5％）に認めた. 手術死亡はなく遠隔死はPH（+）群に1例, PH（-）群に3例を認め6年間の実測生存率に有意差を認めなかった. PH（+）群では術後PAPは術前50±11mmHgに比し術後33±8mmHgへと有意に低下した. 術後PHの残存した症例をAR群に2例認めた. AS群ではPH（+）群の左室拡張末期圧/左室拡張末期容積比（LVEDP/LVEDVI）はPH（-）群に対し有意に高値であり左室拡張能の低下が考えられた. AR群ではPH（+）群の左室拡張末期容積/逆流率比（LVEDVI/RF）はPH（-）群に対し有意に低値であり, LVEDVIの小さい比較的病歴の短いARであることが示唆された. AS群では左室拡張能低下例に, AR群では左心機能は比較的良好でも逆流量とその代償機転に不均衡が認められる症例と, 左心機能が不良な場合に肺動脈圧の上昇が見られた. 大動脈弁膜症に合併したPHは89％の症例でLVEDPの上昇によるものであり, 術後早期に改善し, 早期, 遠隔成績とも良好であった. （日本胸部外科学会雑誌1994；42：860－864） |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
肺高血圧, 大動脈狭窄症, 大動脈弁閉鎖不全症, 左心機能 |
