アブストラクト(42巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 横隔膜上部に食道憩室を伴った巨大食道平滑筋腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 鈴木一郎***, 於保健吉****, 有泉憲史*, 中山茂樹*, 田村和彦*, 芹澤博美**
Authors(kana) :
Organization : *大船中央病院外科, **東京医科大学病院病理部, ***秋田県成人病医療センター, ****総合新川橋病院
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 6
Page : 931-935
Year/Month : 1994 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 生来健康で, 栄養状態良好な33歳, 男性. 胸部X線写真で異常を指摘され, 当院を紹介された. 来院時の写真では後縦隔に楕円形腫瘤を認めた. 自覚症状はないが縦隔腫瘍を疑った. 食道造影で食道の著明な走行異常と, 横隔膜上部に右に突出する憩室を認めた. 食道内視鏡検査では粘膜下から膨隆があるが, 粘膜面は正常であった. 胸部CT及びMRIでは, 均一な腫瘤が心臓と右肋骨の間に存在し右横隔膜に接している, 隣接臓器には浸潤していない, リンパ節の腫脹も認めなかった. 以上より, 食道平滑筋腫を考えた. 全身麻酔, 腹臥位にて右後側方開胸を行った. 憩室を含めた食道壁の一部と共に腫瘍を摘出した. 12×8×4.5cmの大きさ, 重量170gであった. 病理組織学的所見では食道壁より発生した平滑筋腫と, 全食道壁を含む真性憩室であった. 食道憩室は腫瘍の発育に伴って増大した牽引性の真性憩室と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道平滑筋腫, 横隔膜上部食道憩室, 牽引性憩室, 食道切除
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