アブストラクト(42巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右sleeve pneumonectomy後に発症した心臓脱の1例
Subtitle : 症例
Authors : 菅本常夫, 土屋繁裕, 中川健, 奥村栄, 佐藤之俊
Authors(kana) :
Organization : 癌研究会附属病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 6
Page : 985-990
Year/Month : 1994 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 63歳, 男性. 右上幹に発生し気管に浸潤した扁平上皮癌症例に対し心膜切除を伴うsleeve pneumonectomyを施行した. 術後に気管支鏡を施行したところショックとなり, 胸部X線写真にて心臓脱と診断, 再手術にて救命し得た症例を経験した. 肺切除後の心臓脱は既に60を越える報告例があり, その発症は突発的で重篤であり, 早急な再手術なくしては救命し得ない重要な合併症である. 心臓脱を疑えば胸部X線写真での確認に努め早期の手術にて強力な補填材を使用した修復が必要である. 心膜の欠損はたとえ小範囲でもその修復を考慮すると共に, 本合併症の発生を念頭におき術後管理での慎重な配慮がその予防となる. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:985-990)肺切除後の心臓脱は1948年Bettmanら1)の症例以来既に60を越える報告があり, その認識も深まってきたものの, 心嚢内血管処理, 心膜合併切除等, 肺癌の根治性を求めた手術が積極的になされる今日では, この合併症の存在とその危険性を常に意識しておく必要がある.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心臓脱, 肺癌, 心膜合併切除, sleeve pneumonectomy
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