アブストラクト(42巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈縮窄, 離断に対する大動脈弓修復術における近位大動脈弓拡大の必要性
Subtitle :
Authors : 川平洋一*, 岸本英文*, 飯尾雅彦*, 井川誠一郎*, 上田秀樹*, 前野敏也**, 萱谷太*, 稲村昇**, 中田健*
Authors(kana) :
Organization : *大阪府立母子保健総合医療センター心臓血管外科, **大阪府立母子保健総合医療センター小児循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 7
Page : 1003-1006
Year/Month : 1994 / 7
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 大動脈弓修復術において, 近位大動脈弓が拡大されなかった大動脈縮窄22例, 離断6例を対象として, 近位大動脈弓の術前後の変化を心血管造影より計測し, 大動脈弓修復時に同部を拡大する必要性の有無について検討した. 術前の近位大動脈弓径は2.5~7.0mm(3.5±0.9)(平均±標準偏差), 正常大動脈弁輪径に対する百分率は36~84%(54±12)であったが, 術後1回目の検査時(平均術後8ヵ月後)には近位大動脈弓径は2.6~9.8mm(6.5±1.8)に, 正常大動脈弁輪径に対する百分率は51~93%(76±12)に, いずれも有意に(p=0.0001)増大していた. また, 術後2回目の検査時(平均術後2年8ヵ月後)には, 近位大動脈弓径は6.7~12.8mm(9.9±1.9), 正常大動脈弁輪径に対する百分率は60~109%(88±12)で, 術後1回目の検査時に比し, いずれも有意に(p=0.0002, p=0.0003)増大していた. 近位大動脈弓を拡大せずに大動脈弓修復術を施行した症例の術前近位大動脈弓径の最小値が正常大動脈弁輪径の36%であったことより, これ以上の近位大動脈弓径を有する症例では大動脈弓修復時に同部の拡大を施行する必要はないと考えられる. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1003-1006)
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈縮窄, 大動脈弓離断, 大動脈弓部低形成, 大動脈拡大直接吻合術
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