アブストラクト(42巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺門部早期扁平上皮癌に対してS6スリーブ区域切除を施行した1例
Subtitle : 症例
Authors : 渡辺真純*, 高木啓吾*, 青木輝浩*, 田中勧*, 尾形利郎*, 奥野豊**
Authors(kana) :
Organization : *防衛医科大学校第2外科, **健生堂病院
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 7
Page : 1056-1060
Year/Month : 1994 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は60歳, 男性. 咳嗽を主訴とし, 左肺の異常影を指摘された. 気管支鏡で左B6入口部に腫瘤を認め, 生検で扁平上皮癌と診断された. 画像診断上異常影の主体は末梢肺の閉塞性肺炎であり, 原発巣は気管支壁に限局していると考えられ, 積極的縮小手術としてS6スリーブ区域切除を施行した. 切除標本では, 区域支レベルのB6に1cm大の腫瘍を認め, 一部では気管支軟骨を起えていたが, 肺門部早期肺癌であった. 術後経過は順調であり, 吻合部の開存も良好で術前と同程度の肺活量, 1秒量を示した. 術後12ヵ月の現在, 再発の徴候はない. 本術式では中枢側気管支の切除線は下葉切除とほぼ同レベルであり, 中枢方向への腫瘍の進展に対して下葉切除と同等の切除効果が期待できると考えられる. 本症例のようにB6入口部付近に発生した肺門部早期肺癌では, その解剖学的特殊性を考慮し, 気管支形成術を併用した積極的縮小手術の意義があると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺門部早期扁平上皮癌, 縮小手術, 気管支形成術, スリーブ区域切除術
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