アブストラクト(42巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 抗Jra抗体を有し適合血の確保が困難であった解離性大動脈瘤(DeBakey II型)に対する1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 今村道明, 佐久間まこと, 椎谷紀彦, 大場淳一, 深山雅寿, 安田慶秀
Authors(kana) :
Organization : 北海道大学医学部循環器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 7
Page : 1087-1091
Year/Month : 1994 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は66歳, 女性. 主訴は背部痛, 胸痛で胸部CT検査, 大動脈造影でDeBakey II型解離性大動脈瘤の診断で手術目的で当科に入院した. 手術前の準備血の交差により抗Jra抗体を有することがわかり術前にエリスロポイエチンを用いた自己血貯留を行い1,200mlの自己血を貯留し手術に備えた. 手術当日使用可能な凍結保存の同種血は7unitで解凍し使用した. 手術時には700mlの自己新鮮血輸注, セルセイバーの利用, アプロチニンの使用により輸血量を減らし人工心肺を用いた大血管手術を無事に行いえた. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1087-1091)不規則抗体を保有する割合は1.09から1.68%と報告されている1). このうち, 日本人のJra抗原陰性の割合は0.03%と報告されており, 抗Jra抗体を産生する可能性がある2). 今回, われわれは抗Jra抗体を有する解離性大動脈瘤(DeBakey II型)症例に対し出血, 輸血量を軽減する目的で自己血の貯留などの手段を用い上行大動脈グラフト置換術を無事に行い得たので, 若干の文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 解離性大動脈瘤, 抗Jra抗体, 自己血貯留, 上行大動脈置換術, エリスロポイエチン, アプロチニン
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