アブストラクト(42巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左肺全摘術後に施行した冠状動脈バイパス術の1例
Subtitle : 症例
Authors : 柴田利彦, 末広茂文, 木村英二, 西沢慶二郎, 南村弘佳, 木下博明
Authors(kana) :
Organization : 大阪市立大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 7
Page : 1105-1107
Year/Month : 1994 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 13年前に肺癌で左肺全摘術を受けた狭心症症例に対して冠状動脈バイパス術を施行し良好な経過を得たので報告する. 症例は67歳, 男性. 呼吸機能検査で肺活量1.78L, %肺活量55%, 一秒率78%であった. 動脈血液ガス分析ではPaO2 92mmHg, PaCO2 45mmHg(room air)であった. 手術は大伏在静脈を用いて3本バイパスを行った. その際, 左胸郭の可動性が低下していたため内胸動脈剥離用の開胸器が適切な視野を得るのに有用であった. 体外循環後には一過性にガス交換能の低下を認めたが術翌日に抜管し, 肺合併症を併発することなく術後57日目に退院した. 調べ得た限りでは肺全摘術後症例に対する冠状動脈バイパス術の報告は本邦では認められず, 本症例が第1例目の報告と思われる. また明確な基準はないが日常生活を十分営める程度の呼吸機能を有すれば肺全摘術後であっても開心術は可能であると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠状動脈バイパス, 肺全摘術, 肺癌
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