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白血球接着分子（LFA-1）と血管内皮細胞接着分子（ICAM-1）との非特異的結合は, 心移植後拒絶反応の第1段階として重要である. 白血球側接着因子（CD-18：beta subunit of LFA-1）に対するモノクローナル抗体（MAb 60.3）が, 移植後拒絶反応をどの程度軽減するかを組織学的に検討した. Staufflandラビットをドナー, New Zealand Whiteラビットをレシピエントとして頸部異所性心移植を行い, MAb投与群（抗CD-18抗体静注）と非投与群の2群に分けた. ドナー心を術後7日に摘出し, H-E更にElastin染色を行い, リンパ球浸潤の程度をBillinghamの方法に従ってスコアー化し細胞性拒絶反応を評価, 更に, 血管炎を示した細動脈の全体数に対する割合（％）で血管性拒絶反応の程度を示した. MAb群では, 平均rejection scoreは1.6±0.8で, 非投与群の2.3±0.9より有意に低値であり（p＜0.05）, 浸潤したリンパ球は細静脈周囲に集簇する（nodular pattern）傾向を示した. 血管炎を示した細動脈の比率は, MAb投与群, 非投与群で, 各々平均5.2±3.3％, 9.4±8.4％で（p＝0.07）, 前群は後群と比べて約40％の低値であった. ラビット異所性心移植モデルで, 抗CD-18抗体が, 細胞性拒絶反応及び血管性拒絶反応〔急性期血管炎〕の軽減に有用であることが示された. （日本胸部外科学会雑誌1994；42：1148－1153） |
