アブストラクト(42巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 感染性心内膜炎に起因する左室右房交通症の1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 平居秀和, 末広茂文, 木村英二, 西沢慶二郎, 柴田利彦, 木下博明
Authors(kana) :
Organization : 大阪市立大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 8
Page : 1193-1197
Year/Month : 1994 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 感染性心内膜炎に起因するまれな左室右房交通症の1例を経験したので報告する. 症例は17歳, 男性. 緑色連鎖球菌による感染性心内膜炎の診断にて2ヵ月間加療を受けたが, 感染が制御されず, 右心不全症状が持続するため当院に転院となった. 心エコー検査にて左心室もしくは大動脈と右房のシャントが証明され, 大動脈弁, 三尖弁には疣贅の付着と逆流を認めた. 炎症所見, 心不全が増悪したため, 準緊急的に手術を行った. 手術時, 大動脈弁は二尖弁で著明な疣贅の付着, 弁破壊を認めたが, バルサルバ洞には変化を認めなかった. 三尖弁輪は著明に拡大し, 右房側に疣贅が付着していた. 更に, 三尖弁中隔尖に穿孔を認め, 心室中隔欠損孔を介し左室と右房が直接交通していた. これらの病変に対し大動脈弁置換, 心室中隔欠損孔パッチ閉鎖, 三尖弁置換を行い, 良好な結果を得た. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1193-1197)左室右房交通症は比較的まれな疾患であるが, その多くは先天性であり, 後天性の原因として, 外傷性, 心臓手術後, 感染性心内膜炎(以下IE)によるものなどが報告されている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 左室右房交通症, 感染性心内膜炎, 心室中隔欠損症
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