アブストラクト(42巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 総動脈幹弁逆流を伴った新生児期総動脈幹症の1心内修復術例
Subtitle : 症例
Authors : 高原善治***, 武内重康*, 茂木健司*, 中島弘道**, 岡嶋良知**, 中島伸之*
Authors(kana) :
Organization : *千葉大学医学部第1外科, **千葉大学医学部小児科, ***船橋市立医療センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 42
Number : 8
Page : 1238-1241
Year/Month : 1994 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 高度の総動脈幹弁逆流を合併した総動脈幹症では, 新生児期早期に心不全に陥ることがある. このような症例に対して生後6日目に心内修復術を施行した. 総動脈幹弁は4尖で, 左冠尖が二分された形となっており, その右冠尖側の弁尖は小さく支持性が不良であった. 同弁尖を弁輪部も含めて縫縮し, 右冠尖側に固定する目的で, 大動脈外側からフェルトパッチ付きU字縫合にて同弁尖部分を右冠尖へ縫縮した. 心室中隔欠損をパッチ閉鎖後, 三弁付き牛心膜導管にて肺動脈を再建した. 術後腎不全や呼吸不全を合併したが, 第55病日に退院し, 術後5ヵ月, 心エコー・ドップラーにて軽度の総動脈幹弁逆流を認めるが経過良好である. 総動脈幹弁の高度逆流を合併した例では, 早期の心内修復術のみが救命につながるが, このさいに弁形態を考慮した弁修復術が望ましい術式と考える. (日本胸部外科学会雑誌1994;42:1238-1241)総動脈幹症は, 生後早期から肺高血圧症により心不全に陥りやすく, また肺動脈の閉塞性病変が早期に進行することから, 乳児期までに外科的治療が必要とされている1)~3).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 総動脈幹症, 総動脈幹弁形成術, 新生児期心内修復術, 総動脈幹弁逆流
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